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2009-07-09 00:00
疑惑未解明のまま鳩山「首相」誕生を許すのか
杉浦正章
政治評論家
議院内閣制だが、戦後史上初めて衆院選挙が米大統領選の様相をきたしている。事実上、次期首相が首相・麻生太郎の続投か、民主党代表・鳩山由紀夫か、の戦いだからだ。いまは予備選段階と位置づけられる。米国の場合予備選段階で、金銭問題にしても、女性問題にしても、政策にしても、「疑惑の候補」「不適切な候補」が全て振り落とされる。強い大統領が生まれるゆえんだ。まさに自然淘汰の原理が適用されている。翻って民主党の場合、米国なら120%振り落とされること確実な虚偽献金候補を、黒を白と言いくるめて、選挙への逃げ込みを図ろうとしている。クリーンを期待された幹事長・岡田克也が自らの発言でその先頭に立っている。大局的に見た場合、日本の民主主義政治に与えるダメージは大きい。
7月8日の岡田発言は、「鳩山氏は説明責任を果たしており、政倫審での対応は考えていない。自民党は針小棒大に根拠のないことを平然と述べているが、これも弾切れになりつつある」というものである。これほど国民を欺瞞(ぎまん)し、他党を愚弄する発言も珍しい。読売新聞の世論調査では、鳩山が説明責任を果たしていないと思う人は80%に達しており、国民は納得していない。鳩山の謝罪記者会見で逆に不可解な問題が提起され、それに答えるべきだというのが世論である。秘書の動機が「個人献金の少なさをカバーするため」と言うが、鳩山の個人献金は抜きん出ている。むしろ報告しなくて良い5万円以下の献金の中に、氏名偽装があると疑われてもいるのだ。不自然なクリスマス献金など説明されなければならない重要ポイントが、ほおかむりのままだ。
鳩山自身も焦点の秘書を病気のせいにして調べず、また5万円以下の献金調査は弁護士に委ねて、総選挙への「時間切れ」を狙っている。秘書を病気にするのも、自らを利する弁護士を雇うのも、これまでの疑惑議員がやってきたマニュアル通りの対応である。民主党は「国会招致が必要なのは、西松建設の違法献金事件の二階経済産業相や、迂回(うかい)献金疑惑の与謝野財務相だ」(参院幹事長・平田健二)と逆攻勢に出ようとしているが、二階も与謝野も冒頭述べたような首相候補ではない。問題の本質は、一国の首相候補が疑惑を解明しないまま政権の座についてよいかと言うことなのだ。また、両者とも国会で追及されており、一定の答弁はしている。鳩山は国会で何ら事実関係を説明していない。民主党やマスコミの主張を受けて、むしろ自民党は二階も与謝野も国会で説明責任を果たさせたらいい。「食うか食われるか」の段階であり、肉を切らせて骨を切る対応が必要だ。
自民党内も、選挙大敗の予想に、野武士に囲まれた公家集団のようにうろたえて、「麻生おろし」に走ろうとしている。この期に及んでみっともない。朝日新聞の世論調査では、総選挙前の首相交代に「納得できない」が65%に達している。小泉純一郎が“火中の栗”を拾って立候補するような超ウルトラ奇策はあるまい。したがって誰が立っても同じだ。タレント議員の総裁候補などに国民はだまされない。選挙対策副委員長・菅義偉が8日、船舶の貨物検査をする特別措置法案や臓器移植法改正案成立後の会期末解散を主張しているが、少しでも党勢を挽回させようと思うなら、麻生を都議選直後の解散に追い込まずに、「鳩山疑惑」の追及をすべきときだろう。
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