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2009-06-29 00:00
混迷つづくイラン情勢
石川 純一
フリージャーナリスト
イランが、6月12日に行われた大統領選の結果を巡り、揺れている。ハメネイ師は6月19日、今回の大統領選で現職・保守強硬派のアハマディネジャド大統領が再選を決めたあと初めて行われたイスラム教金曜礼拝で導師を務め、「(アフマディネジャド再選は)国民の選択であり、選挙結果を変えることは容認できない」と断言し、アフマディネジャド再選の事実を確認するとともに、改革派のムサビ元首相支持派に対しデモ終結を要求した。
テヘラン中心部で行われた金曜礼拝には数万人が参加したが、ハメネイ師は「街頭行動は、候補者の不当な要求を体制が受け入れるための圧力とはならない。背後にいる(ムサビ氏ら)指導者が結果の責任を負うことになるだろう」と非難し、大統領選で敗れたムサビ元首相支持派の主張を「不当な要求」と断言した。今後、革命防衛隊による街頭デモの徹底的弾圧の可能性を示唆した。ハメネイ師は、開票結果を疑問視するムサビ元首相やその支持者を単に批判するばかりで、アフマディネジャド大統領の政権に潜む「腐敗の芽」をどうやって除去するか、もしくは取り除ける可能性があるのかについては、全く言及していない。いかにイスラム体制と言えども、改善すべき点はきちんと認めて、改善に努力しなければなるまいに。
これまでの段階で、イラン大統領選の開票結果をめぐるムサビ元首相支持派と当局側官憲の衝突は、少なくとも全国11都市に広がり、当局などの弾圧による死者は、累計で少なくとも15人になった。ムサビ元首相は17日、声明を出し、選挙無効と再選挙を改めて要求し、抗議デモを継続する姿勢を示した。イランの有力な人権団体によると、南部シラーズでは16日夜、1万人近いムサビ元首相支持派と警官隊が衝突したという。当局は、市内に外出禁止令を出したが、抗議行動は17日未明まで続いたという。中部イスファハンでは、中心部で抗議集会が17日未明まで続き、多数の負傷者と逮捕者を出した。中部ヤズド、西部ハマダンでも負傷者が出た模様。
イランとの対話を大統領選時代から模索しているオバマ米大統領は、困惑の体だ。対話は相手側がしっかりしている時にのみ成り立つからである。が、ともかくも、米上院と下院はともに19日、イラン大統領選の不正疑惑を巡る連日の抗議デモを弾圧しているとして、イラン政府を非難する決議を採択した。この決議に拘束力はないが、及び腰のオバマ大統領に対する「圧力」にはなっている。
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