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2009-06-24 00:00
(連載)選挙前のバラ撒き(1)
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
選挙前のバラ撒きもいよいよ堂に入ってきた。今度は「骨太2006の社会保障費は1兆2千億、年度あたり2200億の削減もやめた」ときた。財政再建派のあの方も「自民党の良心に期待する」となにやら蟋蟀めいた台詞だ。負けじと民主党も「農家の所得補償だ」なんだと言い募るから、これが世界断トツの財政赤字比率を持ってなる国の政治だろうか、と空恐ろしくなる。
ひとつには、全く説明がない。2006の時にだって、ただ闇雲にぶった切った訳ではない。「聖域なし」とはいったが、ひと通りの理由付けと説明はあった。それのどこがどう変わったのか、どの前提条件が崩れたのか、には一切触れないで、「社会保障の年度自然増が8千億から1兆円ある中では持たない」というのでは説明になっていない。
というより、おそらく自民党には説明能力がないのだろう。米国のように民間非営利組織としてのシンクタンクが政策提言を活発に行うような風土が日本にはないから、いきおい政策策定は霞ヶ関の官僚群と、彼らのお眼鏡にかなった御用学者の一群が取り仕切ることになる。
本来、セクショナリズムに陥りがちな官僚たちをマクロな視点から脅したりすかしたりして、政治理念で引っ張ってゆくのは政治家の仕事の筈だ。それが、なんと情けない事に、タテ割りの官僚機構と利権構造に絡めとられた「族」議員が跳梁跋扈する。なんのことはない、政と官が癒着してうまい汁を吸う、という仕掛けが(国民を除く)みんなのために出来上っているんだから、これが変わる訳もないし、変える動機を持った人が存在する訳もない。(つづく)
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