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2009-05-22 00:00
(連載)「世襲制は改革阻害の最大要因」に同感(3)
水野 勝康
特定社会保険労務士
5月21日に、自民党は小泉進次郎氏に公認を出さないことを表明したが、他方で神奈川11区に公認候補を立てないという。事実上は自民党公認ということだ。これでは自民党は、「公認候補者を決めて国民の信を仰ぐ」という職責を自ら放棄したに等しい。世襲の非難を回避するための姑息な手段と言うほかない。「世襲候補を公認しないからいいだろう」という態度である。別途公認候補を立てなければ事実上公認しているようなものであるし、もちろん神奈川11区で自民党から衆議院議員を志す者に門戸は開かれていない。
公認候補は一般有権者のどうにもならぬところで決まっており、党員が引き摺り下ろすこともできない。今回の小泉進次郎氏の公認問題が好例である。党本部と小泉元首相の一方的な思惑によって決まり、地元党員が関与した形跡は見られない。党員が公認の決定に関与できないシステムでは、結果的にとんでもない人が当選して、後から地域の民度を問われることもある。例えば、私の在住している愛知県愛知郡長久手町は衆議院議員選挙では愛知7区であるが、ここから選出されていた議員は、落選後衆議院議員在職中に「覚せい剤」を使用していたとして逮捕された。
この議員は、最初に立候補する前から、留学先で覚せい剤と親しみ、無為徒食を重ねるなど素行不良のものである、という噂が流れていたのだが、公認を外されることはなかったのである。もしアメリカのように候補者を地元党員の予備選挙で選ぶ制度であったならば、かかる悪評のある人物は候補者になり得なかったであろうし、現職議員であっても公認候補から外されることになったであろう。政党の候補者公認制度について、「世襲だからほぼ自動的に公認する」という制度を廃止し、全ての有権者から公認候補になることを希望する者を募り、アメリカ式予備選挙か、イギリス式の候補者コンテストで、候補者を選定することが必要であろう。
もともと小選挙区制導入の際には、「中選挙区制と異なり、一党からの候補者が1人になるので、自由に立候補することは難しくなるが、そのかわり政党の候補者選定制度を整備する。現職であっても、公認から外れることもある」ということが言われていた。誰もが政党に関係なく広く直接選挙に立候補できる中選挙区制度を廃するかわりに、政党がまず候補者の絞込みを行って、その上で有権者の信を問う制度が想定されていたのである。そこに「政党本位の選挙」の本質があったのではないか。しかし、現実には小選挙区制が導入されて十数年余になるにもかかわらず、候補者選定にあたっては世襲と現職が優先され、手続も不明瞭なままである。中選挙区制時代と大して変わっていないと言うしかない。政党が国民に対して開かれたものとなり、幅広い人材を集めるためには、候補者選定の制度を抜本的に見直し、オープンなものにすることが必要であろう。(つづく)
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