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2009-04-15 00:00
(連載)国会議員の定年制は本当に正論か(1)
水野 勝康
特定社会保険労務士
政治家、特に国会議員に定年制を設けるべきだという意見がある。一見、正論のように聞こえる。実際、比例区に定年制を設けている政党もある。しかし、本当に定年制が正しいのか。強制的に新陳代謝を図ることができるという意味では、良い制度と言えるであろう。その一方で、政界は相変わらず、ある程度の当選回数を重ねなければ発言権を持てない仕組みになっている。これは、自民党も民主党も変わりない。
そうすると、若いうちから当選して当選回数を重ねられる政治家、いきおい世襲政治家が有利になる。議員秘書や市町村議会議員を振り出しに政界に入ってきた一世政治家は、運が良くても国会議員初当選が50歳を超えていることが多く、かつては70歳間近で大臣にしてもらい、1回の閣僚経験を記念に引退するというケースが多く見られた。定年制が設けられた場合、本人の「息切れ」を待たず、強制的に引退させられてしまうということになる。
最近は公募や予備選挙で候補者を選ぶという例もないわけではないが、どこまで開かれた制度であるかと言うと疑わしい。イギリスは公募、アメリカは予備選挙だが、どちらも「現職も含めて」候補者にするかどうか判断される。この点、我が国では「現職優先」が大原則である。また、公募や予備選挙にどのように応募・立候補するのか、と言う制度も不透明で、実効性のあるものと言うことはできない。与野党共に、候補者公募や予備選挙は「話題づくりの為のその場限り」の制度でしかないのが実情と言える。
非世襲で政治を志す場合、一部の運のいい者や団体に推されている者を除くと、ほとんどは、政治ピラミッドの底辺から出発することになる。そうやって当選を重ねてきても、定年で息切れをしてしまうのでは、ますます「息子に世襲させて父の果たせなかった夢を」と考えるようになるのではないか。(づづく)
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